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アラスカは氷河王国
米西海岸からアラスカへの飛行の途上、ジュノーを過ぎた頃から眼下の眺望は一転し、白嶺とそこから扇状に広がる氷河の数々が陽光を浴びて神々しく輝く。セントエライアス山脈から流れ出たグレーシャー・ベイ国立公園内の氷河群と、世界最大を誇るマラスピナ氷河などランゲル・セントエライアス国立公園内の氷河群である。
アラスカには大小 100、000もの氷河があり、今も活発な動きを見せている。この氷河の総面積はアラスカ全土の5%に当たり(日本の20%)、そのほとんどが降雪量の多いアラスカ南部と東南部のアラスカ湾沿岸に集中している。これはアラスカ湾を流れる暖流の湿った空気が山脈にぶつかって、降雪をもたらすためである。アラスカの氷河は高山氷河(Alpine)、渓谷氷河(Valley)、山麓氷河(Piedmont)、氷原(Ice
Fields)、山頂小氷河(Ice Cap)の5種類で、南極に見られる大氷原(Ice Sheet)は存在しない。

氷河は、山岳に降り積もった雪が溶けること無く渓谷に堆積し、多年に渡る堆積で氷となって下方へと移動する、正に“流れる氷の河”。雪は堆積を繰り返すうちに巨大な圧力で空気がすっかり抜け、約12カ月で青く透明に輝くグレーシャー・アイスとなる。この氷河の青さ(グレーシャー・ブルー)が最も美しい氷河は、ジュノー近郊のメンデンホール氷河とソーヤー氷河、アンカレジ近郊のポーテージ氷河等。
地球の温暖化現象はアラスカの氷河の流出を早くし、コロンビア大氷河では1日1〜2mであった流出速度が1日7〜10mになって氷河の流出量は以前の5倍に達している。これは氷河が短くなることを意味し、「氷河の後退現象」と呼ばれている。グレーシャー・ベイ国立公園では約 240年前からこの後退現象がはじまり、氷河が去った地表にはエゾ松やアメリカ栂が森を成している。現在活発な後退現象を見せている氷河は、プリンスウイリアム湾のコロンビア大氷河とカレッジフィヨルドの氷河群、コルドバ市のチャイルズ氷河。
逆に前進する氷河もあり、ヤクタット市のハバード氷河は1986年3月から8月にかけて1日当たり最大45mも前進した。この前進活動(Surge)は氷河の異常滑り出し現象で、氷河が成長したことではなく、アラスカの氷河は全体に後退状態にある。
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