地中海一のリゾート地として評判が高いのが、カイザリヤ。テルアビブから50kmほど北上したところに位置する、かつてローマの総督府が置かれた町だ。それまで「ストラトンの塔」と呼ばれていたが、時のローマ皇帝アウグストスに敬意を表して、ヘロデ王がカイザリヤと命名したという。

このカイザリヤには、ローマ風の遺跡が数多い。特に目を見張るのが円形劇場だ。ヘロデ王が建築したこの劇場、最近になって大々的に修復され、現在コンサートなどの催しに利用されている。客席は、きれいな半円形のカーブを描き、地中海に向かって窓を開いている。地中海の海の青さを愛でるために造られた、一大パノラマ展望場のようでもある。

円形劇場から十字軍時代のカエザリアの要塞を経由して、さらに北へ進むと2本の石造りの導水橋に出会う。1つは高架で、ソロモンに匹敵する建築魔といわれたヘロデ王が建造したカルメル山の水源まで20kmも走っている。低い方は、4世紀に造られたもので、タニニーム川のダムへ5kmほど延びていた。石のアーチが延々と続く景観は、時代の人の力強さを象徴しているようで壮観だ。